どれが好き?干し芋(ほしいも)の品種
さつまいもはどれを加工しても美味しい干し芋になるわけじゃない?知ってなるほど!の干し芋の品種や特徴についてご紹介します。これを知ったら、お家で干し芋品評会ができて、自分好みの干し芋やさつまいもを見つけることができますよ。
前回は、さつまいもや干し芋の歴史についてご紹介しましたので、より深く干し芋の種類をまとめてみましたところ、意外と多くの品種があることがわかりました。
玉豊(たまゆたか)
1960年に品種登録された玉豊。一般的に茨城産干し芋といえば?「玉豊」と言っても良いほど、長年人気があるさつまいもの品種です。
やわらかくて甘みが強く、癖がない甘さは万人受けしやすいタイプの干し芋です。噛めば噛むほど後を引く美味しさがあるロングセラーの干し芋です。(※)
いずみ
正式には「泉13号」という品種です。玉豊に比べて収穫量が3割程落ちてしまったり、干し芋加工もやりづらいために、ほとんど生産されていない希少な品種のさつまいもです。さつまいも本来のうまみや力強い風味が感じられるため、根強いいずみファンがいます。紅はるかも美味しいですが、いずみならではも味わい深い甘さと、やわらかく粘りがある食感が特徴です。(個人的にもいずみは好きなお芋です。)
シルクスイート
シルクスイートは、2012年に誕生した新しい品種です。正式な品種名は「HE306」。「絹のようにしっとり滑らかに焼き上がる」という由来を持つシルクスイート。しっとり系のサツマイモです。
玉乙女(たまおとめ)
平成13年に品種登録された比較的新しい品種です。毎年たくさんの品種が開発されますが、玉豊・いずみに次ぐサツマイモはなかなか現れませんでした。久しぶりに干し芋適正に優れた品種として定着しています。
甘みもやわらかさも上々で、玉豊やいずみよりもサツマイモの風味が味わえる干し芋になります。
紅まさり
紅マサリは1992年に 品種登録されたさつまいもです。焼き芋用として高品質の触れ込みで、事実その通り、ホクホク感よりもねっとりした感じの甘くて美味しい焼き芋になる品種です。ねっとりとしたやわらかい食感で、玉豊やいずみや玉乙女とも違う美味しさがあります。
ほしキラリ
ほしキラリは、干し芋用として開発された品種で、今まで主力品種だった「玉豊(タマユタカ)」や「いずみ13号」の特徴を良いとこ取りをしたかの様な品種です。甘い干し芋です。さつまいもらしい味わい深さのある干し芋です。甘みもあり、やわらかで色も綺麗なクリーム色の干し芋です。
安納芋(あんのういも)
戦後インドネシアから持ち込まれたさつまいもを改良した、品種が開発された種子島の「安納地域」が由来です。焼き芋にして密芋とまで呼ばれるさつまいもの種類です。焼き芋や蒸かし芋にしてそのまま食べるのには問題ないですが、平干し芋のような形に留めておくことができにくいタイプで、お芋が崩れてしまったり小降りの干し芋になってしまうため、干し芋があったら貴重です。
人参芋(にんじんいも)
農家泣かせだと言われる貴重なのが人参芋です。玉豊や玉乙女の半分くらいしか収穫量がないため、ほぼ作付けされていません。人参芋というのはカロチンを多く含むサツマイモの通称です。果肉がオレンジピンク色をしていて、干し芋にすると紅色に仕上がる美しいさつまいもの1つです。人参芋の独特の甘みがあります。
金時芋(きんときいも)
金時芋は、徳島県の鳴門金時、石川県の五郎島金時という全国的ブランド。その美味しさには定評があります。
紅アズマ同様にホクホク感と甘さが特徴で、干し芋でも十分美味しさをいただけますが、焼き芋などにした方が金時芋の旨味を発揮するさつまいもです。
太白芋(たいはくいも)
伝統ある品種で、かつては干し芋にも加工されていたお芋です。しっとり感がない固めの仕上がりです。
甘さはまあまああり、さつまいも特有の味わいが楽しめます。
紫芋(むらさきいも)
アントシアニンを豊富に含むサツマイモです。繊維はあまりないため干し芋に加工することには問題がないさつまいもであり、甘さはあまりありませんが、やわらかく仕上がります。糖分を少し控えつつ干し芋とアントシアニンをとりいれたいあなたにおすすめです。
紅はるか
2010年に品種登録された比較的新しい品種です。芋の外観や食味が既存品種よりも「はるか」に美味しいことから命名されました。ねっとりした食感と甘みの強さがあり糖度も60度を超えるほど驚異的な甘みが特徴です。美しい黄金色で、見ためにもおいしい干し芋です。
干し芋の品種について、意外と多くの種類がある、干し芋農家さんは美味しいさつまいもから蒸し、加工をした後にいかに、うまみが変化するか研究をし続けていることが分かりましたね。濃厚なさつまいもの深みを知ったあなたへ。
ほっこり時間リラックスタイムに、あなただけのお気に入りの干し芋を見つけてくださいね。